このブログは、私shioと、現在、大平に暫定滞在中のsuwaが気ままに書いています。
書き手が複数人おりますので、コメントなどをいただきます場合、投稿者をご確認ください。

2009年10月24日土曜日

食・農・ムラが出会い動く!れぽーと

というわけで、行ってきました。
今回は、年少組と一緒です。
深夜出発というこで、一人はなぜかパイロット、一人はなぜか暴走族な感じに見えるかもしれませんが気のせいだと思ってください。二人とも多分好青年です。
5時起床で移動です。
眠い目をこすりこすりやってきました福岡国際会議場。でかっ!
特産品市場も出店がありました。さすがにお野菜とか買って帰ることはできないかったんですが、すごく美味しそうに見えました。きっと美味しいはず・・・ちょっとくやしい。
講演の前の待ち時間に過疎を逆手にとってる皆さんの陽気なプチコンサートがありました。
しかし、この皆さん、朝っぱらから、えっらいテンションでして。多分、前日の徳野先生の口演会から泊まられているはずなので、かなり睡眠不足だったんじゃないかと思いますが、元気やわぁ・・・。
そして、基調講演です。

「暮らしから見た食・農・ムラ」

 <導入>
   前夜祭の生前葬のお話から始まり、徳野教授の講演では定番であるいくつかの質問を軸に展開されてました。
  1 米とパンはどちらが好きか?
   →パンは食べ物だが、「米」は食べ物ではない。食べ物は「ごはん」。
    米とごはんの区別がつかないのが、現在の「食」の状況
  2 茶碗一杯のご飯の価格がいくらか知っているか?
    安すぎて、みんな知らない。60グラム換算で、「めし(食卓のご飯)」は、およそ25から30円、「おにぎり(コンビニ販売)」は、105円、「ライス(レストランのメニュー)は、250円。これだけ価格が変わっても、農家の元に入るのは、12円。こんな安い価格で、農業者が食べていけるはずはない。
 <日本の農業問題>
   大きくわけて二つだけ。作る人がいないという農業者側の問題と、消費者の問題。
 農業は変わっていないが、人と暮らしが変わってきただけ。年間医者になる人間は、8千人いるが、農業者になる人間は、2千人。日本の暮らしは、雨の名前にはじまって、算数、家族の形態、法律、暮らしのバックボーンの90パーセントは農業から生まれている。
 政権が変化し、どんな仕組みが生まれたとしても、農業をやるのは人間であることにかわりはない。現在良い仕組みができたとしても、人間は年をとり、10年後に同じことができるわけではない。
   日本の世帯は1人暮らしが32パーセント、二人暮しが25パーセント。あわせて半数を占める。こんな家族構成の中では、ご飯を炊くことも少ない。
   コーラとポテトチップスだけでも栄養は偏るがカロリーは、十分で生きていける。米を食べない人間、食事をとらない人間が増えたのは、一緒に食事をする人がいないから。
 <和食とは>
   カレーライスと天ぷらうどんを比較すれば、「和食」のうどんを食べる人が大半であろう。しかし、うどんは「外材和食」。見た目は「和食」であっても、天ぷらうどんは下手したら自給率はゼロパーセント。
   反面、カレーライスは、野菜がたくさん使われている。米、じゃがいも、たまねぎ、肉は、日本のものがたくさん使われている。自給率で言えば、単純に和食、洋食という区別があてはまらない。
 <限界集落と地域づくり>
   限界集落と言われているが、農村はそんなに簡単に壊れるものではない。昔から存在している「小字」集落が消滅した実態はない。現在までに消滅した集落は、満州移民からの緊急避難民や、炭鉱、発電所など資本主義が入って出て行ったものなど。日本では有史以来、人口が減少する自体に、今初めて直面している。人口が消滅することを前提にした地域づくりを考える必要がある。
まだ聞き足りない感じであっという間にお昼に。お昼のお弁当は、あいがも弁当。美味でした・・・。
うれしそうな年少組。 昼からは、徳野先生と実践者とのトークセッション。

そもそも今回のパネラーの皆さん、誰でも3時間くらいは、しゃべれるネタたっぷりのばりばりの実践者です。すごく濃厚なお話たくさんいただいたのですが、徳野先生の質問ははしょってポイントだけ。

手元のメモから起こしているのと、それをさらに前後はしょっているので、何か解釈が違っていることとかあると思います。あくまで「こんな感じ」風に読んでいただければ。

第2部 連続シンポジウム
「一線を越えた実践者たち」

『食』13時から14時
 西日本新聞 佐藤 弘氏・むすび庵 八尋 幸隆氏・ぶどうの樹 小役丸 秀一氏

 佐藤氏:
新聞が地方を向いていないのではないかと「食卓の向こう側」を連載。
「食卓」側からその向こう側を見ることで、暮らしを大事にしてほしいと考えた。
生きることは経験の積み重ね。「弁当の日」の普及で、子供たちが弁当を作ることでの気付きやモノを通してその向こう側を見ることで、生きる力をつけることが教育では。

小役丸氏:
 元々うちは父が農家母が旅館をしていて、両方とも経営が芳しくなかった。税金が払える農業をしようと思ったのがきっかけで結婚式をやることに。生産・加工・販売・サービスを一環して行う六次産業は、気がつけば、農業者ではなくレストラン屋や加工屋になっているケースがあり、できれば地域で行うのが理想ではないか。
八尋氏:
 消費者にとっては、モノがありあまっているこんな世の中では、病気になるか天変地異でモノがなくなるか、価値観が転換しない限りは、本来の意味で農の価値を理解してもらうことは難しい。百姓は、何もないところからでもモノを作り出すことができるもの。それは技術的なことを教わるだけでは身につかない。「食の安全」や「食育」を考えたいなら、お百姓さんと仲良くなるのが一番。
『農』14時から15時20分
農民作家 山下惣一氏・きのこの里 水落重喜氏・合鴨農家 古野隆雄氏・漆作人塾 門田信一氏

古野氏:
流通も仕事としてすることにした。農業はとてもおもしろく、自分の仕事をおもしろくするのは自分。良い消費者と結びつくためには、まず、少数でいいから「わかる人」と結びつく。直接配達することで、その農産物のことを教えることもでき、信頼が深まる。「売れない」のではなく「売る努力」をする。スローライフとよく言われているが、スローライフは忙しい。提携とは、人と人との結びつき。決して、金とモノの結びつきではない。

水落氏:
古野さんや八尋さんは、一戸の農家としては常識を超える努力をして、経営を行っているが、普通の地域の中に、そんなマルチ人間がいるケースの方が少ない。しかも、一人が何かをやろうとすると、ムラではなかなかできない。それなら、一人がやるのではなく、時間をかけてでも、地域の人たちと地域の中で農業をやれるのが楽しいのではないかとはじめた。確かに役割分担で仕事をするのは難しいし、共同経営は失敗も多い。しかし、若いもんや女性の法人は成功する。

門田氏:
 百姓をしながら主夫業。新規就農をしたいと思い立ったものの、技術もなければ金もない。たまたま女房が安定した仕事をしていたので、家計の大半を支え、自分が子育ての役割を持つことにした。地域のつきあいも含めてのことなので、いろいろ忙しい。今は朝市をいわゆる「寄り合い場」としてはじめた。その傍ら、新規就農希望者たちのネットワークづくりを支援している。
パートナーを含めてひとつの家族として自立していければいいと思う。

山下氏:
 農業は地形や風土でやるもの。自分の場合も、玄界灘に面した地形からどうやって生きていくかを考えざるをえなかった。自分が大きくなるということは、人を犠牲にすることなのだと実感した出来事があり、であるなら小さいままでやれる方法はないのかと考えるようになった。

古野氏:
 うちの研修生は有機をするが、技術の習得と同時に家族農業の暮らしをしてもらう。暮らしを学ばなければ農業はできないから。今の農業は持続ができないという問題が最大ではないか。
水落氏:
 うちには「なるほど」といえる「農業者」がいない。経済性だけではなくそういった人材を育てることが大事。

門田氏:
 うちは、WWOOFを利用しているため、単に日本の農について知りたい外国人も多く、一概に就農を目的とした研修生ばかりではないが、2割は、本気の人間。新規就農の壁となるのはやはり機械や資機材そして販路。

山下氏:
 「農業に明日はないが明後日はある」と言ったのは、自分の言葉ではなく井原豊さんの言葉。過去このまま行ったら農業がなくなると思ったことが二度ある。最初はバブルで二度目は小泉改革。二つともなくなったが、農業は残った。渋谷にはノギャルというものがあらわれているらしい。また、農家のこせがれネットワークというものもできているとのこと。そのインタビューの中で、こせがれの子が「われわれは、これまで友人から顔が見えないよう帽子をかぶって手伝いをしてきた。しかし今ようやく胸をはることができる。」と話していた。
「あさって」は来ていると思う。
『ムラ』午後3時半から4時半
 逆手塾 和田 芳治氏・九州のムラ 養父 信夫氏・山のもの書き 吉井 惠璃子氏

吉井氏:
 私がいるのは、水俣市の東側の超山の中。少子高齢化の道をつっぱしっている。
田舎の人はとかく「あれもなかこれもなか、何もなか、おもしろもなか」と言っては、自信がないが、あるもの探しをはじめたら、意外にもたくさんのものがあり、「村丸ごと博物館」という試みをはじめた。地域に人がやってくることで、ムラがちょっと活気づいてきた。赤ちゃんからじじばばまで元気で明るく生活できる集落を目指したい。

和田氏:
 過疎を逆手にとる方法10か条を掲げ、過疎はすばらしいと思い込み、それを使って輝いてみせる。貫き通すことが大事。子供をつれた若夫婦を連れ込むのが集落が元気になる秘訣。Iターン者のことは自分に聞け。まったくの他人が、おもしろそうに幸せに生活している姿を他出者に見せ付けることで、他出者が帰ってくる可能性もできる。過疎地に住んでいるものがそれを食い物にして何が悪い。草や山を食い物にしたから里山ができた。あるものを探して磨くことが大事。

養父氏:
 自分は農家を取材し、農家のことを取り上げる雑誌を作っていたが、農家の人が読んでも他の人はなんじゃらほい。こんなことではダメだと、消費者が読む雑誌に変えることにした。そして、「ムラ市場」を企画したり、トヨタに依頼し「GAZOO」を作り、今はやっぱり流通が大事ということで、いろいろやっている。何も農業をすることだけが、田舎の仕事じゃない。都市を相手にするには、都市部の視点が必要。「つなぎ役」という仕事だったらできるしてみたいという若者は多い。
まとめ
<アクションプランの提示>

① みなさんへ
  メシの値段を国民がきちんと確認する運動
② 消費者へ
  安心安全の農作物を探す前に信頼できる農家を探してください。
③ 農家へ
  行政やアカの他人に期待するよりも、他出子など家族の機能を活用してください。
④ 若い人たちへ
  新規就農したいのなら、農家へ行ってください。行政機関には行かないでください。
⑤ 食・農・ムラ実行委員会
  これからもしぶとくこういう活動をしていきたいと思ってます。
というわけで、これからもしぶとくこういう催しやるそうなので、次回を楽しみにしましょう。
夕飯はもつ鍋♪
幸せ。
そして、ばったんきゅーでした。翌日へ続く・・・。

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

「栞」・・・アシアト

文章をたくさん打ったから、読んでくれる人たくさん居たらいいねぇ!ww

倭月(wacky) さんのコメント...

大変簡潔に問題点を整理してくれて有り難うございます
農に無関心な人も、食には関心がある訳で、
そういう人に僕が感じている問題意識を共感してもらうには、
こういう感じのものを求めていました
(僕の言葉ばかりだとフレッシュじゃないので)
リンクして使わせてもらいますね

近いうちに遊びに行かねばリストに津島を入れました
その節はよろしくお願いします!

S さんのコメント...

うわーお、今気がつきました。
BLOGGERコメントついたのが、わかりにくいんですよね。すんません。

自分に響いた部分のみの要約ですので、現場はもっともっとおもしろかったです。
ぜひ次回は、会場にお運びください!